エンターテイメントや機械製品の発達が著しい現代では、「昔遊び」をしている子どもをあまり見かけなくなってしまいました。
昔遊びは、画面に向かって座り続けるTVゲームとは違い、シンプルで簡単なルールのものばかりなので誰でも参加しやすく、費用もかけずに取り組むことができます。また、身体能力やコミュニケーション能力向上など取り組むメリットが盛りだくさんです。
今まで挑戦したことがなかった方でも気軽にできる昔遊びを遊びのプロである『ふたば幼稚園』の教諭が紹介していきます。ぜひ親子や友達と一緒に取り組んでみてください。
昔遊びの種類と特徴
「昔遊び」は、古くから日本で親しまれてきた子どもの遊びで、伝承遊びとも呼ばれます。
昔遊びの種類は、「外遊び・室内遊び」、「体を大きく使う遊び・たくさん頭を使う遊び」と様々にあります。昔遊びを通じて、どんな事を育んでいるのかも合わせて12個の遊びをご紹介していきます。
1. 【外遊び】大きく体を使って遊ぶ「けんけんぱ」
「けんけんぱ」は、片足跳びや両足跳びを連続して行うことで、身体の連動した動きやバランス力など総合的な運動神経に深く関わる「コーディネーション能力」を養うのに最適な遊びです。
このような昔遊びは、特別な道具を必要としないので、どなたでも、どこでも手軽に遊べるのが魅力です。
2. 【外遊び】五感を使って遊ぶ「凧あげ」
「凧あげ」は、風をつかんで微調整することで五感を使って取り組める遊びです。
昔は敵陣までの距離を測ったり、遠方へ放火したりする兵器としても使われていたそうです。そのような話をお子様に伝えれば、ゲームとは違った感覚で、凧の操縦や想像を膨らませ遊んでくれるかもしれません。様々な楽しみ方で取り組んでみてください。
3. 【外遊び】目を鍛える「羽付き」
お正月といえば「羽根つき」。
実は、2〜3歳くらいのお子さんの成長にピッタリの遊びなんです。
ふわふわと落ちる羽根を目で追うことで、集中力と動体視力が自然と鍛えられます。落ちる場所を予測して動くことで、空間認識能力を育み、タイミングよく羽子板を振ることで、反射神経も養われます。
ボールを目で追うのは意外に難しいですよね。でも、羽根つきならゆっくり落ちる羽根から始められるので、無理なく楽しめ、空を見上げて首を動かすのも、良い運動になりますよ。
4. 【外遊び】バランス感覚を育む「竹馬」
「竹馬」に乗るには、バランス感覚がとっても大切。グラグラする竹馬の上でバランスを取りながら、手足を上手に動かすのは、最初は難しいかもしれません。でも、何度も挑戦するうちに、お子さんのバランス感覚は驚くほど養われていきます。
実は、竹馬に乗っている間、体はずっと絶妙なバランスを保とうと頑張っています。そのため、腹筋や背筋を自然と使うことになり、体幹が鍛えられます。体幹がしっかりしてくると、姿勢が良くなり、椅子にもきちんと座れるようになります。長時間座っていても疲れにくくなるので、授業中も集中力が続くようになるかもしれません。
竹馬は3歳以上のお子さんにオススメですが、小さなお子さんは、竹ぽっくりから始めるのも良いですね。切った竹筒に紐を通して、竹筒に足を乗せて遊ぶ竹ぽっくりは、竹馬よりも安定感があるので、安心して遊べます。
5.【外遊び】日本の伝統を学ぶ「竹とんぼ」
シンプルながらも奥が深く、ちょっとした形や大きさの違いで飛び方がガラリと変わるのが「竹とんぼ」の魅力。どうしたらもっと高く、遠くへ飛ぶのか、竹とんぼをよく観察して試行錯誤するのも、遊びの楽しさのひとつです。
実は、竹とんぼには縁起が良いという一面も。とんぼは前にしか進まないことから「勝虫」と呼ばれ、縁起の良い虫とされています。お正月に竹とんぼで遊ぶことは、新年の福を願うことにもつながるんですね。こんな豆知識を伝えながら一緒に遊べば、日本の伝統や文化への理解も深まりますよ。
6.【外遊び】体のコントロールを育む「鬼ごっこ」
「鬼ごっこ」は、鬼から逃げるという明確な目的があるからこそ、子どもたちは全力疾走したり、走る方向を変えたり、急ブレーキをかけたり、状況に合わせてスピードを調整したりと、体を思い通りにコントロールする力を養えます。転ばないようにバランスを取ったり、踏ん張ったりすることで、体幹や筋力も自然と鍛えられます。
さらに、鬼の動きを観察し、次にどこへ動くかを予測したり、他の子にぶつからないように気を配ったりと、頭もフル回転!観察力、予測力、判断力、そして状況に応じた柔軟な対応力が育まれていきます。
ルールも自由自在に変えられるのが鬼ごっこの魅力。「走らない鬼ごっこ」や「ハイハイ鬼ごっこ」など、年齢や人数、場所に合わせて、みんなで話し合ってルールを決めるのも楽しい経験になります。
7. 【室内遊び】手先の感覚を養う「あやとり」
「あやとり」は、様々な技を覚えたり、手先の感覚を養うのに最適な遊びです。
日本の遊びというイメージが強いですが、実は世界各地で親しまれている遊びでもあります。ご家族と一緒に取り組めるだけでなく、海外の方とのコミュニケーションツールとしても活用できる素敵な遊びです。
8. 【室内遊び】語彙力が養われる「かるた」
言葉の勉強になる「かるた」は、ひらがなの練習中のお子様にもおすすめの遊びです。札を「取れた」という達成感から、もっと勝てるようになりたい、読めるようになりたいとの学習意欲の向上にも繋がります。
文字を覚えてきたお子様は、ことわざかるたや昔ながらの百人一首など、さらにレベルアップしたものにも挑戦してみましょう。年配の方と一緒に勝負してみるのも面白いかもしれません。
9. 【室内遊び】両手を使って脳も活性「お手玉」
「お手玉」は両手の動きを意識して取り組むことで、近年脳の活性にも効果的だということが分かり、不安障害やうつ病治療の現場でも注目されている遊びです。
また、ビーズや手芸用ペレットが使われていることが多くなっていますが、一昔前は小豆やお米が使われていました。様々な手触りを感じることで五感が刺激され、脳も活性されるので、ぜひ親子3代で遊んでみてはいかがでしょうか。
10. 【室内遊び】集中力と忍耐力を育む「けん玉」
「けん玉」は、お子さんの集中力と忍耐力を育む、すごい力を秘めている遊びです。
けん玉で遊ぶとき、お子さんは自然とけん玉に集中しますよね。一瞬の集中力と、それを長く続ける集中力、どちらも必要です。何度も失敗して、それでも諦めずに挑戦する姿は、まさに忍耐力のトレーニング。そして、成功した時の喜びは、何にも代えがたい達成感を味わえます。
この「集中力」と「忍耐力」は、勉強にも役立つ大切な力。集中して物事に取り組む力、そして、諦めずに挑戦する力は、きっと将来、お子さんの大きな支えになるはずです。
11.【室内遊び】数・色を遊びながら学べる「おはじき」
キラキラ輝く「おはじき」は、小さなお子さんにとって、まるで宝物のように魅力的。指先でつまんだり、並べたりするうちに、自然と手先の器用さも育まれていきます。遊びながら、色や数を覚えられるのも嬉しいポイントですね。
ただ、小さなお子さんは何でも口に入れてしまう時期。誤飲を防ぐためにも、おはじきの扱い方を理解できるようになる2〜3歳頃からがおすすめです。
12.【室内遊び】指先から全身運動!「コマ回し」
「コマ回し」って、全身を使うすごい遊びなんです!指先と手首を器用に使い、紐を巻いて、全身の力を合わせて投げる。これだけで、指先の器用さ、目と手の連携、バランス感覚が育つんです。
紐を使うコマは5歳頃からが目安ですが、2歳頃のお子さんなら、折り紙や牛乳パックで作った簡単なコマがおすすめ。力を入れずに指をひねる感覚を楽しく覚えられますよ。
昔の遊びの4つのメリット
エンターテイメントや機械製品が溢れる現代において、まずは昔遊びにどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
メリット1:身体を育む
けんけんぱや竹馬などの身体全体を大きく使う遊びは、身体能力やバランス感覚を育みます。また、折り紙などの手先を使う遊びは、手先の感覚を育み、身体の使い方を上達させる効果が期待できます。
メリット2:脳の発達を促す
昔遊びには、両手の動きを意識するお手玉や風を捉えながら遊ぶ凧揚げなど、五感を刺激する遊びが数多くあります。五感が刺激されることで、脳への良い刺激となり、神経の発達や脳の発達を促す効果が期待できます。
メリット3:コミュニケーション能力を育む
昔遊びは、シンプルで分かりやすいルールなので、お年寄りが子どもに教えてあげる、子ども自身が年下に教えてあげられることから、普段話さない年齢の人と話す良い機会になります。
また、鬼ごっこやかるたなど複数人で行う遊びが数多くかることから、トラブルを防いでいく協調性や社会性も養われていきます。
メリット4:伝統的な遊び触れる機会になる
今まで触れることがなかった遊びを通して、日本の伝統的な遊びや生活について知り、興味・関心の範囲が広がるきっかけとなります。
グローバル化が進む現代において、相手の国の文化を深く理解するには、まずは自国についての理解を深めることが重要です。
まとめ
今回は、昔遊びのメリットや種類について紹介しました。昔遊びは、身体の成長を育んだり、脳の発達を促したりと得られる効果が様々にあります。
今まであまり昔遊びに触れてこなかったご家庭も、費用をかけず気軽に取り組めるものばかりですので、当記事を参考にぜひ取り組んでみて下さいね。
「ふたば幼稚園」では、『遊びを中心とした保育』『こどもが主体となり、環境・遊びを通して心を育む保育』について随時情報を発信しています。
旭川市豊岡の「ふたば幼稚園」月1回の園開放!
旭川ふたば幼稚園では月に一度就園前のお子さんを対象にした園開放事業として「ふたばっこらんど」を開催しています。
対象は、幼稚園に入園していないお子さんで、年齢制限はありません。
同じように子育てを頑張るママたちと悩みを共有したり、ちょっとした気づきを交換したりできます。一人で抱えていた気持ちが、誰かと話すことで少し軽くなるかもしれません。
もちろん育児相談も大歓迎です!
「遊びは学び」と考えるふたば幼稚園では、お子さんが屋外でも、室内でも、存分に楽しく過ごせる環境を用意しております。
室内遊具では、おままごとコーナーやトンネルなど、ドキドキとワクワクがとまらない仕掛けがもりだくさん!
「園開放」について園開放の参加は当園の入園を強制するものでは一切ございません。
子ども達に楽しみの一つを提供したいと開放しているので、気軽に公園に遊びにいくかのようにご参加いただければ嬉しいです。スタッフ一同、心よりお待ちしております!
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