学校法人旭川中央学園 旭川ふたば幼稚園

子どもの心を養う愛着形成の概要を保育士が解説

子どもの心を養う愛着形成の概要を保育士が解説

お子様との愛着形成を育むには、3歳前後までが非常に重要な時期です。

3歳前後までに愛着形成が上手に出来ていない場合には、お子様が成長していく過程で辛い思いをしてしまう可能性があります。

この記事では、『遊び=幼児期の学び』として『遊び』に力を入れ運営をしている北海道旭川市にあるふたば幼稚園の教諭が、お子様が心を養いながら成長できるような、愛着形成の方法もご紹介しています。

今日からでも取り組める内容となっていますので、日々の育児にもぜひ取り入れてみて下さいね。

心を養う「愛着形成」とは

心を養う「愛着形成」とは

愛着形成とは、親と子の間にある信頼関係であり、お子様が心を養い成長していくためには欠かせない土台となるものです。

この親と子の間に生まれる愛着や信頼関係は、お子様の成長に合わせて少しずつ築いていくものであり、子供が成人するまでの心の発達や家族関係、人間関係に大きく関わってくるものです。

ですので、愛着形成はお子様の心の成長に非常に大切なものであり、甘く見てはいけないものといえるでしょう。

以下では、お子様の成長段階に合わせた愛着形成の育み方を紹介しています。

紹介している方法を日々の育児に取り入れることで、お子様のより健やかな心の成長を育んでいく参考として頂けたら幸いです。

3歳までに形成される愛着形成の基礎

3歳までに形成される愛着形成の基礎

愛着形成の基礎は、3歳までに形成されるものといわれています。

ジョン・ボウルビィというイギリスの精神科医が提唱した『愛着理論』に沿って紹介していきます。

【第1段階】生後12週頃:人物を特定しない定位と発信

この時期は、人物を特定せず無差別に周囲の人間に対して興味を持ち始める時期です。

赤ちゃんが周囲の人間に対して笑いかけたり、泣いたりすることで周囲の人間に影響を与え、周りの人が赤ちゃんから離れづらくなるという効果があります。

この頃の赤ちゃんは、お母さんの声でなくとも人の声を聞いたり、顔を見たりすると泣き止むことも多いです。

【第2段階】生後12週以降〜6ヶ月頃:識別した特定の人物に対する定位と発信

生後12週以降〜6ヶ月頃は第1段階の様に人に対して行動しますが、親密な行動が他人では無く母親的存在に対して顕著になる時期です。

ですが、母親が居なくなってしまったことで寂しがったり、泣いたりする様な愛着形成に夜行動はまだ見られない段階です。

【第3段階】満2〜3さい頃:発信や動作の手段を用いて識別した人物への接近の維持

満2〜3さい頃は、お子様が母親を区別して認識する能力が確固たるものとなり、母親的人物に対する愛着が顕著となっていく時期です。

ですが、逆に今まで他人に向けていた興味が薄くなり、見知らぬ人に対しては警戒したり、人見知りが起きる段階です。この段階は2〜3さい頃まで続きます。

【第4段階】満2〜3さい以降:目標修正のための協調性の形成

満2〜3さい以降は、母親など愛着の対象への接近を維持しようとし始める時期です。

また、親の行動を変化させるために自分で考えて行動する様にもなります。そして、次第に親が考えている意図や目的を洞察できる様になり、親と子の間に協調性という関係を発達させる基礎が形成されてきます。

この時期は早くとも満2〜3歳以降の時期となっています。

この様に、成長と共に変化する愛着形成の段階を4つに分けることができます。この第4段階が終了してしまうまでに愛着形成を意識した子育てに取り組んでいくことが必要です。

愛着形成を育む3つのポイント

愛着形成を育む3つのポイント

ご家庭で愛着形成を育むための3つのポイントを紹介します。

①目と目で向き合うこと

乳幼児は、人の正面の顔を見てだんだんと顔を覚えていきます。

顔が逆さになっていたり、横顔では認識することが出来ません。ですので、抱っこしながらスマホを見たり、テレビをずっと観ていたりすると子供は顔を覚えることが出来ません。

ですので、ぜひスマホを置き、テレビを消してしっかりとお子様と向き合ってあげて下さい。

この様に小さな取り組みや意識からでも愛着形成の基礎を作っていくことが出来ます。

②手と手で触れ合うこと

愛着形成には、手と手で触れ合うようなスキンシップも重要です。

手と手が触れ合う感覚はお子様の感覚神経の成長を促すと共に、スキンシップを取ることで「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。

このオキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、このホルモンが分泌されることで非常に幸福感を増すことができます。

大人でも大切な人とスキンシップを取ることで幸せを感じる様に、お子様も幸せを感じます。

またスキンシップを取ると、お子様だけでなく親御さんにもオキシトシンが分泌されるので、双方の愛着形成にも重要な役割を果たします。

意識的にお子様のほっぺをつんつんと優しく触ってあげたり、くすぐり遊びを取り入れることでスキンシップを増やしていきましょう。

③子供に微笑むこと

笑顔には様々な良い効果があります。

親が終始威圧的な態度をとっていると子供は自信を失い、心を閉ざしてしまいます。親御さんから微笑みかけてあげ、信頼関係を築いていくことも必要です。

また、成長過程のおいてお子様は親御さんの仕草や言葉をよく観察し、次第に真似をする様になってきます。

ですので、親御さんがお子様に沢山微笑みかけてあげることで、お子様も真似をして良く笑う子に育っていくでしょう。

他にも、笑うことはお子様の成長に様々な役割を果たします。笑うことは、脳の発達免疫力の向上ストレス耐性が付くことに繋がります。

ぜひ、この3つを意識して実践してみて下さいね。

愛着形成が育めていないと生じてしまう「愛着障害」

愛着形成が育めていないと生じてしまう「愛着障害」

愛着形成に取り組めていない場合には成長するにつれて、お子様が人との関わり方でとても辛い思いをしてしまう可能性があります。

それは「愛着障害」と呼ばれる心理学的な症状によるものがあります。

この愛着形成が何らかの理由でうまくいかず、大人へと成長してしまうと、自立心や自尊心が低くなりやすく、他社とのコミュニケーションが上手く取れなかったり、心身の健康に影響を与えてしまうことがあります。

例えばコミュニケーションが上手く取れない例としては、

  • 過敏に警戒してしまう、人との関わりを嫌がる
  • 自尊心が低く、強い怒りを出す人や必要以上に落ち込む場合もある
  • 相手が望む“いい子”になろうとする、頑張りすぎる
  • 他者との距離感が理解できず、近すぎてしまう
  • 知らない人でも、警戒心なくどんどん話してしまう

などがあります。

健康面での問題としては、

  • 他害行為(他人をたたく、噛むなど)がある
  • 体調不良を起こしやすい
  • 自傷行為(髪の毛を抜く、爪を酷くかむなど)がある
  • 不眠傾向や食欲不振がある

などがあります。

このようにして、保育園や幼稚園の時期から集団生活を送る上で他人と人間関係を築いていく過程で、相手との距離感が掴めなかったり、健康面で影響を及ぼす場合があります、

お子様の健やかな成長のためにも、特に3歳前後までには愛着形成を育む様な子育てや教育を意識してみることをおすすめします。

まとめ

お子様の愛着形成を育む方法について紹介しました。

特に何も道具を使わずに、意識をするだけで取り組める様な内容となっていると思いますので、ぜひ今日からでもご家庭に取り入れてみて下さいね。


北海道旭川市にある「ふたば幼稚園」では、お子様の健やかな成長に役立つ情報を発信しています。

ふたば幼稚園は1975年に活動を開始し、地域に根ざした保育園、幼稚園として実績を積んでまいりました。ふたば幼稚園の最大の特徴は、子供が思いっきり遊べる環境があることです。

まとめ

こちらは校庭の写真です。子供たちが遊びを通して想像力を発揮できるよう設計されました。子供たちは時にどろんこまみれになりながら、遊びを通して「生きる力」を育んでいきます。机に座って学ぶだけでは「生きる力」を育むのは難しいでしょう。子供が遊ぶ大切さは、いつの時代も変わらないのではないでしょうか。

生き生きとした子に育って欲しい」「自分で考え、行動する子に育ってほしい

ふたば幼稚園は「遊び=学び」を基本とした保育を通して、子どものサポートをさせていただいております。

また、親御さんが気になる園での安全管理として、送迎バスにはダブルチェックシステム、おたすけボタン、職員同士の共有、園児への声かけ等を通し日頃から確認・すぐに対応できる環境作りを心がけております。

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